芋焼酎のシーズン・鹿児島へ!

2014/11/10

鹿児島県鹿屋市、阿久根市、薩摩川内市

夏に酒屋こまきにいらっしゃった鹿児島酒造の牛之濱さんとお話をさせていただいた際に、また来年も鹿児島に蔵見学に行きたいと話をしていたら
「せっかく鹿児島に来るのなら、芋焼酎造りの時期に蔵を見学に来るといいよ。」
とおっしゃっていただいたので、九州旅行貯金もまだ貯まってはいなかったのですが今回は息子一人での鹿児島行きを決行いたしました。

「国内 ツアー 格安」

で検索して見つけた会社「エボラ・ブル・アジア」。
名前はタイムリーすぎてびっくりでしたが、ともかくその「エボラ・ブル・アジア」が手配してくれたジェットスター621便は、霧で出発が若干遅れたものの無事に鹿児島空港へ到着。

空港でレンタカーを借りるとまずは鹿屋市にある大海酒造を目指します。
鹿児島では高速道路の建設ラッシュなのか、あちこちで工事がおこなわれていました。



まずは大海酒販の山下正博取締役にごあいさつさせていただきました。
「海」の前掛けを改造したショルダーバッグがおしゃれです。
山下さんはこの日、東京で行われる「居酒屋甲子園」(http://izako.org/)に向かう予定があるという多忙な時間を割いて、お昼ご飯をごちそうになりながらお話を聞かせていただきました。

「アイデアは動いた距離に比例する」
「ダメかどうか頭で考える前に、やってみる」

などなど、いつもながら山下さんの名言、いただきました。

その後大海酒造の蔵を案内していただきます。
ちょうど昼時で芋切りなどの作業は休憩中だったのか、蔵の中は人気があまりありませんでした。

 



夜、静かな蔵を訪れると、シンと静まり返った蔵の中にもろみの発酵する音が響いて、それは幻想的なんだとか。
モノ造りの現場には、ロマンがありますね。実際に夜の酒蔵に見学に行かれた方のブログを拝見すると、また違った面白さがあるようで。
次回は夜にお邪魔したいものです。



大海酒造の見学を終えると、一目散に次の目的地である鹿児島県阿久根市へと車を走らせました。

二日目の朝は阿久根市にある鹿児島酒造の蔵で今回のメインイベントである、芋焼酎の造りを見学することになっていたので、今夜は阿久根市に泊まることになっていました。

三時間ほども車を走らせると、日が落ち暗くなってはいるものの、ぼんやりと青暗く東シナ海が見えてきました。
海岸沿いの国道三号線を北上した先に阿久根市があります。

阿久根市につくと、今回の旅のきっかけを与えてくださった、鹿児島酒造の牛之濱さんと、黒瀬安光総杜氏がでむかえてくださり、一緒に夕食を食べながら焼酎について話を聞かせてくださいました。

 
さすが薩摩隼人、二人ともお強い!!
会話の中にも二人の仲の良さと焼酎造りに対する情熱がうかがえて、明日の蔵見学にも期待が高まります。

…飲みすぎないようにするのが精いっぱいでした^^;

次の日は朝一番で鹿児島酒造をお邪魔します。

 

朝日のなか「黒瀬杜氏伝承蔵」の文字が目に飛び込んできます。
古く明治のころから、九州各地の焼酎の蔵に杜氏・蔵人として出かけて行った『黒瀬杜氏』と呼ばれる杜氏たちの精神が引き継がれているのが、この鹿児島酒造です。

まだ作業が始まる前の蔵は、不気味なくらいにシンと静まり返っていました。

 
作業が始まると、芋を粉砕する音などで蔵の中は一気に騒々しくなります。
おそろいの「黒瀬」Tシャツで統一された蔵子さんたちがあちこちと忙しそうに動き回り、整然と作業を開始します。

写真を撮るために立ち止まるのにも気を使ってしまいます 笑

おろおろしている自分に対し、牛之濱さんが気を使ってくださって蔵子さんたちに混じって米麹を移動する作業を一緒に手伝わせてもらうことになりました。
 
鹿児島酒造では、米麹にタイ米を使用しているとのことで、サラサラですが、それでも慣れない身にはかなりの重労働です。
…体力には自信があるほうなのですが、すぐに息が上がってしまいます。。。

俺がならした米麹を使った芋焼酎が、いつか日本のどこかで誰かの口に入ります。

作り手の気持ちになると、こんな感じなんだ…

我々が日々販売し、消費している焼酎はこうして多くの人たちの汗と苦労で出来上がっています。



倉庫では、鹿児島酒造の総杜氏・黒瀬安光氏が50年の経験と技で造り上げた焼酎、その名も「黒瀬安光」が静かに出荷の時を待っていました。

「黒瀬安光」は、一次仕込みで使用する「S型麹」のほかに、二次仕込みで清酒用の黄麹「ネオマイセル吟醸麹」を使用した、いわば焼酎の”大吟醸酒”的なお酒です。

こまきでも、近日発売開始予定ですので、是非お問い合わせください。

鹿児島酒造を後にし、今度は車で一時間ほどのところにある田苑酒造を目指しました。

  

入り口には

「歓迎 酒や こまき 御一行様」

と書かれた看板が掲げられて歓迎していただきました。

…すいません。おひとりさまです…^^ などとつぶやきながらお邪魔しました。

20~30人ほども入りそうな部屋で田苑酒造の案内のビデオを見せてもらいますが、その背中も少しさびしそうです。

  

田苑酒造では、樫樽で麦焼酎を寝かせることによってウイスキーのような風味をつけて販売する「金ラベル」や「ゴールド」などの商品があるため、樫樽の貯蔵施設があります。
最近のウイスキーブームで樫樽の入手が難しくなっているのだそうです。

新燃岳の爆発による地震の際にはこの貯蔵施設から樫樽が転がってきたのだとか∑(・・;
地震の話になると、自分もついこの間経験したばかりなだけに(東日本大震災)、自然と話が続きます。


 
田苑酒造では、上の写真のように樽にスピーカーのような振動を発生する装置を設置し、クラシック音楽を聞かせることによって発酵を促進させています。

実は田苑酒造は、このあと工場内を見学したのですが、工場入口にあった看板を自分が見間違えて工場内撮影禁止だと思い込んでしまったために、工場内の写真が一枚もないという悲劇の顛末を迎えることとなってしまいました。

説明の案内書きなども整備されていて、非常に見学しやすいところだっただけにとても残念です。
次回訪れるときには、しっかり写真に収めて紹介したいと思います。本当に申し訳ありません!

今回の旅で感じた、焼酎蔵の熱気や蔵人たちの商品に対する思い入れ、苦労や努力、そしてそれをを余すところなく伝えられる酒屋になりたいという思い、それが思うように至らない自分の未熟さ、焼酎というものの持つ可能性。

さらに勉強して、感性を磨いて、再び鹿児島に行きたいとそう思いました。



配達中に追突されたり感染性胃腸炎にあったりでバタついてしまって、今回のレポが大変遅れてしまい、申し訳ありませんでした。皆様も安全と健康にはどうぞお気をつけて。

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