府中誉 茨城県石岡市

茨城県石岡市は、天平の昔から常陸の国の国府(府中)として大変さかえ、関東の霊峰筑波さんに源を発する湧水に恵まれた歴史ある街です。
この水は「府中六井」と呼ばれ、中軟水で鉄分を含まない酒造りに最適の水でした。
1854年(安政元年)、美酒造りへの夢を抱いた山内権右衛門がこれを仕込み水として清酒醸造を始め「府中誉」と命名した酒を発売しました。
現在は7代目の蔵元である山内孝明氏が中心となって酒造りを行っています。
「麹と酵母そして人との調和が奏でられた時こそ美酒が生まれる」という考えのもと、昔ながらの手間暇と経験が要求される手法で醸造しています。
また、背丈が高いうえに収穫時期が遅く、病気に弱いなど栽培が容易ではないために作付けが途絶えて いた、山田錦の親に当たる品種の酒米「渡舟」を
全国で唯一復活栽培し、原料米として使用しています。
渡舟 純米吟醸 ふなしぼり
720ml ¥2100
このお酒に使われている、幻の酒米とも呼ばれている「渡船」は酒米で有名な「山田錦」の父親にあたり、「雄町」の兄弟品種という酒米です。
昭和初期ごろには茨城県内でも盛んに作られていましたが、背丈が高いうえに収穫時期が遅く、病気に弱いなど栽培が容易ではないために作付けが途絶えて「絶滅品種」となっていたものを7代目の山内孝明さんが農水省農業生物資源研究所(つくば市)から種もみを譲り受けて復活させました。
「ふなしぼり」とは「槽(ふね)」という昔ながらの道具を用いて、圧力をかけずにもろみを自然な重みで絞ったものです。通常は機械で圧力を加えてもろみを絞るのですが、こうした手法をとることで雑味が入りにくくなり、本当の酒の美味しさが味わえます。